freeeとマネーフォワードの比較

一見すると分からない価格の違い

ミニERPを使って業務を効率化しようとする時、経費精算ソフトの役立ちは大きいです。freeeではIDを取得した全てのユーザーに経費精算ソフトの使用料がかかってきますが、マネーフォワードはアクティブユーザーのみです。会社の経費を立て替える機会が全ての従業員に毎月あるのであれば大した違いではありませんが、機会が少ない場合大きな違いとなります。また、freeeは会計機能と経費精算機能のIDが一体であるのも高くなる要因です。

このように、何だかんだでfreeeの方が高くつく印象があります。freeeは下位プランに対する機能の制限も拡張しており、しっかりとした管理体制を構築しようとした場合、プロフェッショナルプラン以上でないと厳しいです。プロフェッショナルプラン以上でないと、自動生成される仕訳の資産勘定にタグ情報を付せない、経費承認ルートの自由度が低い等、とにかく制限が厳しいです。そしてプロフェッショナルプランから値段が急激に上がります。対してマネーフォワードは機能制限がないプランも安いです。

機能やUIはfreeeの方が優れている(※個人の感想です)

freeeでは仕訳をきるとウィンドウに表示済みの推移表や試算表に自動で反映します。マネーフォワードはリロードをかけないと反映しません。些細なことかもしれませんが、作業効率は結構変わります(リロードをかけると表示位置が初期化される)。こういった細かい作り込みがfreeeの方が優れている印象です。勘定科目のショートカットキーもマネーフォワードは1つしか付けられないとか様々です。

マネーフォワードは、レジ同期で売上を読み込んでも手作業で部門を付さなくてはいけなかったり、大して手間をかけず開発できそうな、でも必須な機能が割となかったりまします。仕訳の承認機能もありませんでした(タグ機能で代替できるが手間)。ただ、機能制限のないプランがマネーフォワードの方が安いので、機能、値段を含めてコストパフォーマンスを比較すると、ほとんどの企業にはマネーフォワードが一番よいと考えており、相当規模のクライアント様にのみfreeeをお勧めしておりました。

マネーフォワード会計Plusの登場で情勢に変化か

マネーフォワードは、仕訳承認機能がなく、減価償却費の月次償却もできず、しかも固定資産関係は提携していると謳っている達人シリーズとCSV連携さえできませんでした。そのため、あまりきちんとした財務報告体制を必要としていない企業にお勧めしておりましたが、IPO検討企業を対象にした上位プランが出てきたことにより情勢が変わるかもしれません。

価格はだいたいfreeeのプロフェッショナルプランと同価格帯で、補助の他に取引先データを保有できる、月次償却、償却資産税の申告書に対応、仕訳の承認やログを残す機能等、従来の不満がだいたい解消されていると感じています。

クレジットカード同期のタイミングに大きな違い

freeeは請求確定したクレジットカードの情報しか同期できなかったため、財務報告の即時性が失われ、大きな弱みと感じていました。ただ、最近はクレジットカードのブランドによっては未確定情報も同期できるよう機能を拡張しているようなので、最大の弱点は少なくなっている気がします。

マネーフォワードは、確認していませんがほぼ全てクレジットカードで未確定情報を同期できると感じています。これが、従来マネーフォワードをお勧めしていた最大の理由かもしれません。

freeeの固定資産管理機能は十分ではない

freeeの固定資産管理機能は、マネーフォワードと異なり月次償却ができ、相対的に優れていると思っていたのですが、償却資産税の申告書を作成するための市区町村情報や住所情報を格納できないため、結局年に一度別の固定資産管理ソフトにデータ移管する必要が出てきます。ここは不満点で、マネーフォワードplusが償却資産税の申告書に対応したことから、大きな相違点だと感じます。

マネーフォワードはスキャナで取込んだ資料が見づらい

クラウド会計ソフトは、ペーパレス化して、スキャナで取り込んだ証憑を見ながら入力することを想定していると思います。何故か、マネーフォワードは取り込んだ証憑が横長に表示されます。請求書等の証憑はほとんどが縦長なので、可視範囲が狭く非常に見づらいのが個人的には大きなデメリットです。

恐らく設計思想の差異が影響しているのでしょう。freeeは貸方、借方という概念を採用していないUIになっていますが、マネーフォワードは採用しているため、入力画面を横長に取らざるを得ず、結果として証憑の表示画面も横長になるのではないでしょうか。

freeeは見やすいです。ただ、会計回りの仕事はデュアルディスプレイで行うことが多いのですが、どちらも2画面には対応しておりません。

freeeは2事業年度の編集が困難

2020年度の会計データが完全に締まってない段階で2021年度の会計入力をする、ということは当然ありうることです。この場合、freeeは何故か2021年度BS項目について試算表や推移表が表示できません。

期首残高が確定していない以上表示できない、ということなのでしょうが、現状の期首残高を前提にして表示してくれないと大変会計入力がやりにくいのは否めません。一度確定させてしまえばよいのですが、そうすると2020年度の編集は出来なくなってしまいます(そして確定とその解除に時間がかかる)。つまり、2事業年度を同時に編集していると、一部の試算表や推移表が必ず表示できなくなってしまいます。

ここは、マネーフォワードのように仕訳の入力制限機能と残高の繰越を別々に作成して欲しかったと強く思います。両者が一体化しているため、繰越をしてない→翌年度の期首残高が存在しない→BS項目が表示できないとなりますし、繰越済み→前事業年度は一切編集不可となってしまうのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です